カンジダ症治療薬ニゾラール
カンジダ症の治療に使用される抗真菌薬剤には、「ニゾラール」というイミダゾール系の抗真菌薬もあります。
カビの一種の真菌に対して、細胞膜を破壊して真菌を死滅させる強い効果があり、真菌を原因とした皮膚真菌症の治療にもちいられることが一般的です。
カンジダ菌だけでなく、他の真菌である白癬菌(水虫)や癜風(でんぷう)、脂漏性皮膚炎にも効果があるとされています。
「ニゾラール」は「ケトコナゾール」を主成分としたイミダゾール系の白色の抗真菌薬剤で、最も使われやすいタイプは「クリーム」タイプの薬剤です。
液剤(ローション)、スプレーなどのタイプがあります。
白癬菌やカンジダ菌、癜風菌などに対して殺真菌的に作用しますが、外用の塗り薬なので全身的には作用しづらいため副作用も少ないとされています。
つまり皮膚表面・角質への作用にとどまって、塗った時に刺激を感じたりするケースはありますが、ほとんど体内には吸収されないということです。
目に入らないように、目元などには使用しないでください。
もし目に入ってしまった場合は、すぐに水かぬるま湯で洗い流して、医師の指示に従ってください。
ニゾラールには、水虫やカンジダ皮膚炎だけでなく脂漏性皮膚炎の適応もあります。
頭皮のかゆみ、ふけ、抜け毛、湿疹などは脂漏性皮膚炎のケースが多く、薄毛男性に多い症状でケトコナゾール配合のニゾラールシャンプーで治療できます。
脂漏性皮膚炎(ニキビ)の詳しい原因はまだ解明されていないのですが、真菌の関与も原因のひとつとして推測されています。
ニゾラールを1?2週間の塗ることによって、脂漏戦皮膚炎の症状が軽減されるとされています。
ニゾラールクリーム、ニゾラールローション、ニゾラールスプレーなどがあり、症状や部位、使い勝手などによって適宜使い分けるとされています。
どんな症状にも使いやすいのはクリームタイプで、一般的にクリームが処方されるケースが多いようです。
特に湿潤している部位には、クリームタイプが無難かもしれません。
ローションタイプの液剤は、浸透力が強いのですが刺激が強いのが欠点とされているためも皮膚が分厚く角化としてるような幹部に向くと言われています。
副作用は少ないのですが、ただれのひどい部位や、傷のある場所には注意して用いる必要があり、ヒリヒリする刺激感や、しみたり、熱く感じたりするケースもあります。
人によってはカブレてしまうような場合もあり、塗った後で深みや痒みが悪化するような場合は、皮膚科の受診が必要です。
外用薬は、あくまで皮膚表面の症状を改善させる薬剤であり、角質層内部の真菌にまでは作用しません。
角化した水虫や爪水虫など、難治性の場合の治療には、外用薬だけでなく内服薬で治療するケースも少なくありません。
カンジダ症の治療も、外用薬だけで対処が可能な軽度のケースは別として、皮膚症状の改善とともに全身的に内服薬を用いたり、膣炎には膣剤を併用することが基本です。
例えば、口腔カンジダは内服が必要ですし、カンジダ膣炎は膣内で増殖したカンジダ菌を駆除する必要があるため、外陰部にクリームを塗るだけでは退治できません。
婦人科での膣洗浄と、膣剤を継続的に使用することが必要で、外陰部にだけクリームを塗るという治療法が基本です。
ジフルカン(カンジダ症の治療薬) | |||||||
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婦人科や性病科でのカンジダ症治療には必ず処方される抗生物質がジフルカンです。成分はフルコナゾールで、飲み薬のため体内からカンジダ菌を殺菌します。塗り薬と併用できますが、ジフルカン単体でもカンジダ症を効果的に治療できます。 | |||||||
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