カンジダ症と不妊の関係
「カンジダ症」はカンジダ菌という真菌(カビの一種)が、増殖することによって発症します。
カンジダ菌は常在菌でもあり、身体の腸内に寄生していることの多い菌であり、健康な状態であればトラブルを起こすことも無い菌ですが、体調不良に陥ったりすると活動を活発化させて繁殖します。
真菌とはカビの一種なので、暖かい湿った場所(腸粘膜や膣など)を好んで生息場所としていて、女性の場合は大腸やデリケートゾーンに密かに生息している常在菌です。
ほとんどの人が持っている菌であり、性行為でも感染しますが特に性感染症(STD)というわけではありません。
日本女性の7?8割は生涯で一度は発症すると言われていたりもするような、珍しくない感染症です。
カンジダ膣炎となるカンジダ菌(カンジダ・アルピカンス)は、身体各部(口腔、皮膚、消化管内、女性の膣)などに常在しています。
身体の免疫力が落ちたりすると、カンジダ菌が増殖しはじめて、「カンジダ症」「カンジダ膣炎」として発症します。
健康な女性の膣内は、自浄作用が働いていてカンジダ菌も増殖しないバリア機能のメカニズムが働きます。
体調不良やホルモンバランスの変化などで、この自浄作用が機能しなくなった時に、カンジダ菌は活発に活動し繁殖するのです。
カンジダ膣炎と不妊症の関係性については、明確な因果関係があるわけではありません。
体調不良でカンジダ膣炎が発症したとしても、キチンと治療して体調を整えておけば何ら問題はないのです。
ただし、カンジダ膣炎が発症しているときは膣の状態が決して良好とは言えないですし、炎症を起こしているので、精子にとっては生存しづらい環境と言えます。
つまり、精子が生存して卵子にまでたどり着く確率は、低くなるので妊娠しづらいのは間違いありません。
特にカンジダ症の再発を繰り返していたり、放置して膣炎だけでなく子宮頸管に炎症を起こしていたりするように場合は、精子を死滅させたりすることも多々あるようです。
そのために、不妊治療を開始する前に、カンジダ膣炎が発見された場合は治療を優先するように指示されるケースが多いとされています。
常在菌であるカンジダ菌によってカンジダ症になったとしても、1度や2度ひどい膣炎を発症させたとしても、医療菌においてキチンと治療していれば、不妊になることはありません。
カンジダ症を放置したり、再発させたりしていると、不妊症につながるケースもあるということです。
膣内の自浄作用はホルモン変化にも影響されるため、生理中には低下したりして痒みや湿疹ができやすかったりします。
カンジダ菌の繁殖も同様の仕組みで、生理時期にはカンジダ菌の数が増えがちで、カンジダ膣炎も発症しがちな環境となります。
妊娠中にもカンジダ症が発症しやすいのも、ホルモン変化による影響と考えられます。
出産時にカンジダ菌が膣内で増殖した状態では、産道感染によって赤ちゃんにカンジダが感染してしまう可能性もあります。
新生児に皮膚炎や鵞口瘡(がこうそう)という形でカンジダ症が出現することもあります。
不妊症の原因としては、カンジダ症よりも「クラミジア感染症」「淋菌感染症」「トリコモナス症」の方がリスクは高いのかもしれません。
いずれも、婦人科でしっかりと検査・治療して、早期に完治させることが大切です。
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