カンジダ症の塗り薬は?
「カンジダ症」は、カンジダ菌(Candida albicans, Candida glabrata 等)という真菌(カビの一種)による感染症です。
治療は、基本的には抗真菌薬剤による薬物治療が一般的です。
カンジダ菌は常在菌ですので、通常でも体内の粘膜系部位(大腸や膣、尿道、口腔内など)に寄生しています。
体力低下や免疫力が落ちたりすると、常在菌であるカンジダ菌が異常に繁殖してしまって炎症を起こすことになります。
カンジダ症には発生部位によっていろいろありますが、女性の膣で過剰増殖してカンジダ膣炎になってしまうケースが多く見受けられます。
カンジダ症の治療は、基本的に薬物療法で繁殖したカンジダ菌を駆除する方法です。
カンジダ菌は真菌なので、抗真菌薬剤を使用することがメインで、炎症がひどい場合などは降雪物質を併用することもあります。
カンジダ膣炎のケースでは、婦人科で膣洗浄を行い、抗真菌薬剤の膣錠(膣内へ挿入する外用薬)です。
外陰部などの膣周辺、デリケートゾーンに痒みがある場合は抗真菌薬の塗り薬を併用することもあります。
抗真菌薬の塗り薬は、水虫の治療(白癬菌の退治)にも使用されることがあり、市販薬にもありますが、外陰部などの痒みを抑える治療になるだけで、膣内に塗れるわけではありませんし、膣炎の根本的な治療には不向きです。
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痒みを抑制するために塗り薬使うことは、悪いことではありませんが、塗り薬だけでカンジダ症・カンジダ膣炎の治療を完全に行うのは、ちょっと無理があると言っても過言ではないでしょう。
女性のカンジダ症の場合では、根本的な治療をしなければ再発を繰り返してしまいますし、外陰部の痒みだけ押さえても意味が無いのです。
何度も再発させてると、膣内から深部、子宮頸管などへ炎症が進行してしまい、不妊の可能性もでてきますし、他の性感染症にも感染しやすくなってしまいます。
膣内に炎症を頻発されているということは、膣内の環境が常に良くない状態ということになるため、女性機能にとって非常に悪影響しかありません。
常在菌だから痒みを抑えれば良いなどと、軽く安易な処置だけで済ませようなどと考えずに、しっかりと婦人科で治療を行ってください。
抗真菌薬剤を内服して、全身的に治療するケースもあるくらいです。
男性のカンジダ症では、男性器へのトラブルとして、亀頭炎と包皮炎による症状「カンジダ性亀頭包皮炎」で、亀頭や包皮の痒みや違和感などがあります。
冠状溝周辺や亀頭が赤くただれたような状態になったり、小さな水疱、びらん、浸軟(皮膚が水分でふやけてる状態)、白苔(白い皮がむけている感じ)なども見られたりします。
尿道感染して尿道炎となり排尿痛を起こしている場合は、抗真菌薬剤などで内服し身体の中から治療を行います。
男性器の皮膚症状には、外用薬として塗り薬が処方されることも多々あります。
カンジダ症は正確には性感染症(STD)ではありませんが、男性がカンジダ症を発生している場合は、女性に感染させやすいため性感染を起こすケースも少なくありません。
カンジダ菌は常在菌ではありますが、男性側で異常増殖させているカンジダ菌を性行為によって女性が受け取ってしまうことになると、女性側のバリア機能の限度を超えてしまうため容易に感染させられてしまうのです。
逆のパターンももちろんあり得ますので、自己感染だけでなく性感染も注意しなければならないでしょう。
安易に塗り薬だけで治ったような気持になってしまうのは、自分にもバートナーにもリスクが高い行為なのです。
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